椿木郷
つばきごう
「和名抄」高山寺本に「椿木」と記し、「豆波支」と訓じるが、刊本は「都波木」と訓じる。ともに「つはき」と読む。郷名の由来は、延暦年間(七八二―八〇六)草創と伝える椿八幡宮の旧社坊大椿山歓喜寺の縁起によると、往古椿の大木があって、夜々光明を放ったので、これによったとある。近世の椿東分・椿西分(現萩市)はその遺名で、椿西分の椿町はその本郷とみられる。「日本地理志料」は椿の東分・西分(現萩市椿東・椿)のほかに現旭村の明木・佐々並、現川上村の野戸呂・江船など阿武川の水系にあたる全域を郷域に比定しているが、広大にすぎるきらいがある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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