改訂新版 世界大百科事典 「楮座」の意味・わかりやすい解説 楮座 (こうぞざ) 中世,紙の原料であるコウゾの特権的な取引に当たった京都の商人。当時もっとも大きい京都の紙需要は,地方から送られた年貢・商品紙と,洛中の紙製造販売業者(紙座)の手になる紙によって充足されていたが,楮座は洛中紙座に供給する原料コウゾの特権的な取引に従事していた商人団と考えられる。《惟房公記》によると,16世紀中葉の永禄年間に田中家久なるものが本所に貢納すべき公事にかかわっているので,おそらく座の座頭・乙名の地位にあったものであろう。楮座の公事にかかわっていた本所は甘露寺,中御門,坊城,万里小路の勧修寺流の公家,さらに蔵人所出納,日野家等であった。執筆者:佐々木 銀弥 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by