国際極年観測International Polar Yearのこと。これまで2回行われている。地球物理上の問題には規模が大きくて国際協同観測を必要とするものが多い。第1回は12か国が参加し、1882年8月1日から1年間、主として北半球高緯度地方を対象として気象、地磁気、オーロラを観測した。日本は1883年(明治16)3月から東京赤坂で地磁気を観測した。現在の気象庁の地磁気観測につながる観測業務であった。第2回は50年後の1932年(昭和7)8月から翌年8月まで、44か国が参加し、第1回の種目に加えてイオン圏物理の観測がなされた。富士山頂の通年気象観測はこのとき以来のものである。飛行機により高度5000メートルくらいまでの気象観測も行われた。
[安田敏明]
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…これらを背景に,測地学,地震学,気象学,地球電磁気学,海洋学,火山学の六つの分科をもつ国際測地学・地球物理学連合が成立したのは1919年である。地球物理学各分野にまたがる国際的協同観測の歴史も古く,第1回極年は1882‐83年のことであり,50年後の第2回極年(1932‐33)を経て,第3回からは名称を改め25年後に国際地球観測年(IGY。1956‐57)として,気象,地磁気,電離層,太陽活動,海洋,地震,重力,人工衛星などの諸観測が実施された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」