様に依りて葫蘆を描く(読み)ようによりてころをえがく

故事成語を知る辞典 「様に依りて葫蘆を描く」の解説

様に依りて葫蘆を描く

形式先例をまねるだけで、独創性がまったくないことのたとえ。

[使用例] 類想の模型には尽くるときあり。後れてずる美術家は様に依りて胡蘆をえがくことを免れず[森鷗外*柵草紙の山房論文|1891~92]

[由来] 「とうけんひつろく―一」に載っている話から。一〇世紀、ほくそう王朝の時代の中国に、皇帝のために文書を起草する仕事をしていた、とうこくという文人がいました。彼は、もっと高い地位に就くことを望み、仲間に運動をさせました。しかし、皇帝は笑って、「彼が得意な文書の作成など、昔の文書のことばを入れ替えるだけの作業だ。『様に依りて葫蘆えがく(パターンに従ってひょうたんの絵を描く)』ようなものではないか」と言い、取り合ってくれなかったということです。なお、「葫蘆」とは、ひょうたんのことです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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