歓喜寺村(読み)かんぎじむら

日本歴史地名大系 「歓喜寺村」の解説

歓喜寺村
かんぎじむら

[現在地名]金屋町歓喜寺

金屋かなや村の南方長谷川はせがわ村の西に位置し、西は有田川を挟んで吉原よしはら村に対する。中世には石垣いしがき庄に属し、東吉原(村)と称した。明恵の誕生地であり、のち明恵が草庵を営んだ明恵上人筏立いかだち遺跡、明恵没後、彼の高弟喜海が湯浅宗氏と協力して建立した歓喜寺がある。当地が東吉原とよばれていたことは、永仁六年(一二九八)三月一三日藤並ふじなみ(現吉備町)地頭源松石丸(藤並彦五郎)らが藤並庄内北廻地蔵堂前の名田二段を歓喜寺に寄進した時の寄進状(歓喜寺文書)に「奉寄進東吉原歓喜寺」とあること、明徳三年(一三九二)八月一一日の守護代陶弘宣打渡状(同文書)にも「紀伊国在田郡石垣歓喜寺領東吉原村」とあることなどから明らかである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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