正教授支配大学(読み)せいきょうじゅしはいだいがく

大学事典 「正教授支配大学」の解説

正教授支配大学[独]
せいきょうじゅしはいだいがく

教授ドイツ(Ordentlicher Professor)とは,ドイツの大学教員の伝統的な職名である。正教授のほかに,員外教授(ドイツ)(Außerordentlicher Professor),私講師(ドイツ)(Privatdozent)などが大学で教育研究にあたった。大学の管理運営に関する決定に正教授のみ関わるのが,正教授支配大学である。ドイツの大学は歴史的に教授等を構成員とする団体であったが,正教授のみが団体の構成員としての完全な地位を有していた。学術発展とともに,第2次世界大戦の終わりごろまでには大学の実態に合わないものになっていたが,大学の大衆化の進行,1960年代末の大学紛争などにより,すべての大学構成員に管理運営への参加を求める機運が高まった。連邦憲法裁判所の1973年5月29日の判決により,正教授支配大学から集団合議制大学(Gruppenuniversität)に代わることが根拠づけられた。
著者: 長島啓記

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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