正露丸(読み)セイロガン

デジタル大辞泉 「正露丸」の意味・読み・例文・類語

せいろ‐がん〔‐グワン〕【正露丸】

胃腸薬の一。クレオソート主成分とし、腹痛下痢などに用いる。日露戦争中に軍隊で使用されたことから、もとは「征露丸」と書いた。商標名。

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精選版 日本国語大辞典 「正露丸」の意味・読み・例文・類語

せいろ‐がん ‥グヮン【正露丸】

(もとは「征露丸」) 胃腸薬の商標名。クレオソートを含有した腸内殺菌防腐剤。腹痛、下痢などに効く。
※青い月曜日(1965‐67)〈開高健〉二「征露丸を飲んで腸を固めようとしているのだが」

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知恵蔵mini 「正露丸」の解説

正露丸

木材より抽出される強力な殺菌防腐剤である木クレオソート(正式名:日局木クレオソート)を主成分とした胃腸薬・止瀉薬虫歯の痛み止め薬のこと。特有のにおいと苦みがある。名称は大幸薬品株式会社の商標登録だが、普通名称化したとの判決が重なり、ほか5社以上の会社より「正露丸」として販売され続けている。もともとは日露戦争(1904年2月8日~1905年9月5日)に出征した兵士の下痢止め薬として「征露丸」との名称で服用されたもので、日露戦争後、日本独自の民間薬として一般に普及した。1998年ころには、雑誌「週刊金曜日」のコラム及びそれをまとめたブックレット『買ってはいけない』(「週刊金曜日」編、1999年発行)がその有害性を指摘したが、基本的認識の間違いを大幸薬品より指摘され、「週刊金曜日」誌上において訂正記事が掲載された。

(2012-09-24)

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