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武士詞 ぶしことば

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大辞林 第三版の解説

ぶしことば【武士詞】

武士階級を中心に用いられた語彙・語法・音韻など。「開く(退却する)」などの単語のほか、受身表現に使役の助動詞「す」「さす」を用いたり、音便の形を多く用いたりするの類。文献に多く現れるのは鎌倉時代以降のことである。武家詞。武者詞。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

武士詞
ぶしことば

武士階級に特有の語彙(ごい)や表現法をいい、武者詞(むしゃことば)ともいう。院政・鎌倉期から文学作品に登場するようになったが、それ以前にも存在したか否かは明らかでない。戦場での表現が特徴的で、「退く」といわずに「急ぎいづ方へも御開き候ふべし」(保元物語)というように「開く」を使ったり、受け身にすべきところを「家の子郎等多く討たせ我が身手負ひ」(平家物語)というように使役表現を用いたりする。幕についても、味方の場合は「幕をうつ」といい、敵には「幕をひく」という。これらは、敗北を嫌う武士の負けじ魂の表れで、味方については力強く表現しようとするものである。江戸期に入ると、武士階級のことばと町人階級のことばとの間に差が生じ、「拙者」「それがし」「貴殿」など、武士特有の代名詞や「さようしからば」「――でござる」といった言い回しが用いられるようになった。[鈴木英夫]
『菊池季生著『国語位相論』(『国語科学講座 第三巻』所収・1933・明治書院)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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