日本歴史地名大系 の解説
武蔵国河越領高辻并田畠記帳(河越領郷村高帳)
むさしのくにかわごえりようたかつじならびにでんぱたきちよう
一冊
成立 寛文四年
原本 愛知県豊橋市美術博物館受託
解説 寛永一六年から元禄七年まで川越に在城した大河内松平家時代の郷帳で、大河内家文書に含まれる。寛文印知に際して作成されたものとみられるが、拝領村高だけでなく田畠の反別、新田開発地まで詳細に記載されている。内容は大きく二つの部分に分れ、前半は拝領高七万五千石に相当する入間郡八一ヵ村(うち一一ヵ村は高麗郡が混入)・比企郡三八ヵ村・高麗郡一四ヵ村・多摩郡三ヵ村・埼玉郡五三ヵ村である。後半は寛文四年以降に書き加えられたともみられ、拝領高には含まれない新田開発地が開発分・武蔵野分に分けて各村ごとに記されており、その合計は二万二千五五五石余に上る。これは武蔵野に代表される川越藩の積極的な新田開発の成果を示すもので、その結果、田園簿にはなかった村名も数多く確認できる。
活字本 「埼玉県史研究」一四号・一五号
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報