歳出・歳入一体改革(読み)さいしゅつさいにゅういったいかいかく(その他表記)integrated reform of expenditure and revenue

知恵蔵 「歳出・歳入一体改革」の解説

歳出・歳入一体改革

財政健全化を歳出削減だけでなく、増税による歳入増加という歳出・歳入両面から同時に進めるという政策経済財政諮問会議は2004年10月に、この政策を打ち出し、07年から10年代初頭までに基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化を目指し、10年代半ばに、増加を続けている「債務残高の対GDP比」を減少させることを中期目標として掲げた。06年1月、小泉首相は、同年6月をめどに「歳出・歳入を一体とした財政構造改革の方向についての選択肢及び工程」を明らかにするとし、消費税に言及しながら租税体系全体の見直しをする方針を表明した。政府・与党は「経済財政諮問会議」に加えて、「財政・経済一体改革会議」を発足、06年6月26日には、11年度に基礎的財政収支の黒字化を達成するという「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針」をまとめた。こうした方針は同年7月7日に出された「骨太の方針2006」、さらに07年6月19日に発表された「経済財政改革の基本方針2007」にも引き継がれている。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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