比爪館跡(読み)ひづめたてあと

日本歴史地名大系 「比爪館跡」の解説

比爪館跡
ひづめたてあと

[現在地名]紫波町南日詰 箱清水

南日詰みなみひづめの北部で五郎ごろう沼北側の微高地に位置。東側を北上川が南流、同川に東部から彦部ひこべ川、西部から滝名たきな川が流入するほか、近くをあずま街道と伝える古い道が通る交通の要地であった。藤原氏の一族である樋爪(比爪)氏の居館で、紫波地方とくにその産金地帯を支配するために設けられたといわれる。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)九月四日条などに「比爪館」とみえる。同年の奥州合戦のため源頼朝が紫波郡に入ったとき、樋爪太郎俊衡は当館を焼き北方へ逃走したが、同月一五日俊衡ならびにその弟五郎季衡など一族は、厨川くりやがわ(現盛岡市)の頼朝陣営に投降した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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