毛沢東語録(読み)もうたくとうごろく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「毛沢東語録」の意味・わかりやすい解説

毛沢東語録
もうたくとうごろく

中国の政治家,思想家毛沢東の文章から抜粋された短文を集め,編集された語録。中国名は毛主席語録。当初,人民解放軍の政治,思想教育を進める際の教材として,解放軍の機関紙『解放軍報』に 1963年から連載されたものを,64年5月解放軍総政治部が補充して1冊の本にまとめ,内部で刊行された。その後 65年8月1日の建軍記念日に,初版に改訂を加え,解放軍総政治部の「前言」と,林彪の「毛主席の著作を読み,毛主席の言葉を聞き,毛主席の指示に従って事を運ぼう」という題辞とをつけ加えて改訂初版本が公刊された。 67年になると,総政治部の「前言」が削除され,代りに林彪の「再版前言」が収められた再訂版が発行され,本文の内容も一部が改訂あるいは削除された。さらに 71年9月の林彪事件後は,林彪の「再版前言」も削除された。本文は全 33章,270ページで,『毛沢東選集』およびその他の論文から断片的に選ばれた短文で構成されている。発行部数は,66~68年 11月の期間だけでも約7億 4000万冊に達するといわれ,文化大革命の過程で中国軍民にとって不可欠のものとされ,その学習がきわめて広範に実施された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android