改訂新版 世界大百科事典 「民間航空規制緩和法」の意味・わかりやすい解説
民間航空規制緩和法 (みんかんこうくうきせいかんわほう)
1978年10月25日に発効したアメリカの法律で,通常デレギュレーション法とよばれる。この法律の目的は1958年の連邦航空法を,〈競争市場力が航空サービスの質,様式,価格を決定する〉よう修正することにあり,(1)チャーター輸送と定期輸送との差を徐々に撤廃する,(2)新規企業の参入,新規路線の運航,休止,撤退などを自由化する,(3)運賃については,CAB(民間航空局)が費用その他の要因を考慮して定める標準価格の5%以内の値上げ,50%以内の値下げをほぼ自動的に認可する,(4)民間航空統制機関としてのCABの権限を縮小し,85年1月1日までに廃止する,ことなどを定めている。この法律によって,競争を排除して民間航空を育成するという従来の政策から,競争を導入して消費者の利益をはかるという新政策への転換が行われ,アメリカの民間航空市場に大きな衝撃を与えた。
執筆者:榊原 胖夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報