気質喜劇(読み)キシツキゲキ(その他表記)comedy of humours

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気質喜劇」の意味・わかりやすい解説

気質喜劇
きしつきげき
comedy of humours

イギリスの喜劇の型の一つ。人間の気質が4種類の体液 (血液粘液黄胆汁黒胆汁) の配合によって決るとする中世医学の説に基づき,そこから生じるそれぞれの気質を特に著しく備えた人物を登場させて,おかしみを感じさせようとする喜劇。 B.ジョンソンの『十人十色』 (1598) などがその典型といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の気質喜劇の言及

【喜劇】より

…この劇は台本をもつ正統喜劇commedia sostenutaと対立するものであるが,ヨーロッパ各地に進出し,正統古典喜劇の成立に大きな影響を与えることになる。エリザベス朝期のイギリスでは,ベン・ジョンソンが,《十人十色》《ボルポーネ》などの性格を中心とした気質喜劇comedy of humorsを書いている。シェークスピアも《ヘンリー4世》や《ウィンザーの陽気な女房》のなかで,フォールスタッフのような喜劇的個性を創造したが,《まちがい続き》のような状況喜劇も書いているし,悲劇性を含む悲喜劇や,幻想的な喜劇《あらし(テンペスト)》も書いている。…

※「気質喜劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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