水久保城(読み)みずくぼじょう

日本の城がわかる事典 「水久保城」の解説

みずくぼじょう【水久保城】

福島県南会津郡只見町にあった戦国時代の山城(やまじろ)。JR只見線の只見駅の北側にある要害山(標高710m)を城域としていた。会津四家の一つの南会津の国人領主山内氏の支城。戦国時代、只見一帯は、黒川城(のちの若松城、同県会津若松市)を本拠とする蘆名氏に臣従する国人領主の山内氏が治めていた。山内氏は中丸城(大沼郡金山町)を本城としていたが、1589年(天正17)に伊達政宗(だてまさむね)により蘆名氏が滅ぼされた後も、当主の山内氏勝は伊達氏に抵抗した。このため、政宗は大軍を派遣し中丸城を落城させたが、氏勝は水久保城を拠点に越後上杉景勝の支援を受けて抵抗を続け、1590年(天正18)の豊臣秀吉の奥州仕置を迎えた。しかし、この仕置では山内氏は上杉景勝の被官と見なされて領地を没収された。城はその後間もなく廃城になったと考えられている。城跡には郭や虎口跡が残っている。JR只見線の只見駅から徒歩。◇水窪城とも記述される。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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