水夫としての2年間(読み)すいふとしてのにねんかん(英語表記)Two Years Before the Mast

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水夫としての2年間」の意味・わかりやすい解説

水夫としての2年間
すいふとしてのにねんかん
Two Years Before the Mast

アメリカの小説家,弁護士リチャード・デーナの航海記。 1840年刊。彼は 34年ハーバード大学在学中,はしかによる視力の衰えをなおすため,ボストンからホーン岬を回ってカリフォルニアに向う『ピルグリム』号に平水夫として乗組んだが,この作品はこのときの航海日誌に基づくもの。水夫の生活をありのままに描いて世論を喚起し,水夫のための『アンクル・トムの小屋』とまでいわれた。メルビルの愛読書の一つで,『モービー・ディック』に影響を及ぼしたともいわれる。最初は匿名で出版され,59年に最終章がつけ加えられた。

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世界大百科事典(旧版)内の水夫としての2年間の言及

【デーナ】より

…アメリカの作家,弁護士,政治家。ハーバード大学で海洋法を専攻したが,学業を中断して船乗りになり,その航海の経験をもとに《水夫としての2年間Two Years before the Mast》(1840)を書いた。これはアメリカ海洋小説の古典と目されており,《白鯨》の著者メルビルもこの作品に啓発された。…

※「水夫としての2年間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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