船内に備えおくことが定められている書類の一つ。日本では船員法によって規定されており,船長は本書に航海その他の法定事項についての概要を記載し,航行に関する報告として行政官庁に呈示してその事実の証明を求めることができる。つまり本書は船の行動についての証明書の役割をもつ。公用航海日誌とも称されるゆえんである。航海日誌には,このほか船用航海日誌と呼ばれるものがある。これは船舶所有者,荷送人その他利害関係人に対し,船長がその職務を怠りなく行ったことを証明する書類であり,1船のすべての記録の基礎となるものである。したがって,これには船の行動,航海の状態,気象・海象,機関の使用状況,貨物の揚卸し,航路変更,海難,人命・船舶の救助,船内での出生・死亡,船員の懲戒,諸操練の実施など船内で起こった重要事項をすべて,当時あるいは当日の当直航海士が詳細に記載し,船長が署名し一等航海士が副署するのが通例である。
執筆者:平井 顕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
船内で記録される各種の日誌のうち、船用航海日誌をとくに航海日誌(ログ・ブックlog book)という。航海中、停泊中を問わず、船の運航に関する重要事項はすべて記録されるが、昔は航海中の測程儀(ログ)示度をとくに重視して記録したことに語源がある。おもな船内日誌には甲板(こうはん)部日誌、機関部日誌、無線部日誌があり、甲板部日誌には甲板部当直日誌、船用航海日誌、撮要航海日誌、官用航海日誌がある。甲板部当直日誌は、常時船橋海図室に備え、当直航海士が一定の書式に従って船の出入港、針路、航程、針路の変更、主要地点の通過時刻、機関回転数、天候、風向、風力、停泊中の荷役状況、船内作業、事故などを記載する。船用航海日誌は、甲板部当直日誌を清書し、毎日船長が点検、署名して、船の重要な航海公式記録となるものである。撮要航海日誌は、船用航海日誌の要点を抜粋して一航海ごとに簡略にまとめ、営業上の資料とするものであり、官用航海日誌は、船員法によって備え付けを命ぜられ、記載事項や船内保存期間の定められたものである。
[川本文彦]
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