江吉良村(読み)えぎらむら

日本歴史地名大系 「江吉良村」の解説

江吉良村
えぎらむら

[現在地名]羽島市江吉良町

狐穴きつねあな村・蜂尻はちじり村の西に位置する桑原くわばら輪中内の村。北はたけはな村。元禄郡高寄帳に江吉良の表記でみえ、「古ハ江吉良島村ト申」とある。江吉良は江喜羅とも書いた。エギラは芦葭の類の異称で、葭簀のことを今もエギラとよぶ地方がある。当地が古くは島あるいは水辺の地で、芦葭が生茂っていたために生じた地名であろう。「存覚袖日記」によれば「江喜良島良信房」に康安元年(一三六一)七月二八日付で本尊が下付されており、当時江吉良に念仏集団が形成されていたことが知られる。年未詳六月八日の下間頼龍奉本願寺御印書(円覚寺文書)にも「ゑきら島」がみえる。

慶長九年(一六〇四)閏八月「江喜羅島村」のうち六八二石余が林正利に宛行われた(「徳川家康朱印状」内閣文庫蔵)慶長郷帳には「ゑきり島」(平岡頼勝領)・「江吉島村」(大久保長安領)・「敷島村ゑきら島之内共有(旗本林勝正領)の三筆がみえ、正保郷帳には以上を合せて江吉良島村とある。田方八二五石余・畑方六三九石余で、うち五〇〇石余は徳野藩平岡領、六八三石は旗本林領、一四〇石余は旗本土岐主水領、一四〇石余は旗本土岐左馬助領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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