羽島市(読み)ハシマシ

デジタル大辞泉 「羽島市」の意味・読み・例文・類語

はしま‐し【羽島市】

羽島

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日本歴史地名大系 「羽島市」の解説

羽島市
はしまし

面積:五三・八三平方キロ

県の南西部に位置し、東に木曾川、西に長良川が流れ、当市南端で両川が合流する。北には木曾川の古流路さかい川が西流。木曾川対岸は愛知県葉栗はぐり木曾川きそがわ町・一宮市・尾西市中島なかしま祖父江そぶえ町、長良川対岸は安八あんぱち墨俣すのまた町・安八町・輪之内わのうち町および海津かいづ平田ひらた町・海津町、北は羽島郡笠松かさまつ町・柳津やないづ町と岐阜市。市域は標高五メートル以下の平坦な沖積平野で、かつては水害の常襲地帯であったが、近年の排水施設の完備により一大穀倉地帯と化し、同時に輪中独特の景観は失われた。また東海道新幹線岐阜羽島駅、名神高速道路岐阜羽島インターチェンジの設置により、近辺は急速に変貌しつつある。

市域は近世初期まで北部は尾張国葉栗郡、中・南部は同中島郡に属していたが、天正一四年(一五八六)の木曾川大洪水後、同川の主流路が境川筋からほぼ現在の流路に変わり、それに伴って木曾川西岸の当地は美濃国に編入された。すなわち、かつての尾張国葉栗郡地域は美濃国羽栗はぐり郡、同中島郡地域は美濃国中島郡となった。ただし国境・郡境が明確に定められるのは江戸時代に入ってしばらくしてからで、初期にはまだ流動的であった。市名はこの羽栗郡・中島郡が近代に合併して成立した羽島郡に由来する。なお美濃国羽栗郡は現在羽島市と羽島郡・各務原かかみがはら市に、中島郡は大部分が羽島市に、一部が愛知県尾西市に属する。

〔原始・古代〕

水害の常襲地帯であったため、古墳時代までの遺跡は皆無に近い。わずかに正木まさき不破一色ふわいしきの字中沼なかぬまで弥生時代の遺物が採集されているにすぎない。

中島郡は和銅二年(七〇九)一〇月二五日の弘福寺田畠流記帳(円満寺文書)に「仲嶋郡」とみえ、天平六年(七三四)の尾張国正税帳(正倉院文書)には郡名とともに中嶋連東人の名がみえ、在地勢力の存在をうかがわせる。「和名抄」東急本国郡部に「奈加之万」の訓があり、高山寺本では美和みわ拝師はやし小塞おせき三宅みやけ茜部あかなべ石作いしつくり日部くさかべ川埼かわさきの八郷、東急本ではこれに加えて神戸かんべ郷を管するとある(東急本は日部を日野と記す)。このうち川埼郷が現羽島市東南部にかかわるとみられるほかは、現愛知県内に比定される。なお「濃飛両国通史」は石作郷を当地に関係ありとするが、根拠は薄弱である。「延喜式」神名帳では郡内に三〇座(大三座・小二七座)が記され、うち「石刀イハトノ神社」「川曲カハワノ神社」などが当市域に比定される。葉栗郡も前掲天平六年の正税帳にみえ、「和名抄」によると五郷を管していた(→羽島郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羽島市」の意味・わかりやすい解説

羽島〔市〕
はしま

岐阜県南西部,木曾川長良川に挟まれた輪中地域にある市。1954年竹ヶ鼻町と近隣 9村が合体して市制。中心市街地は竹鼻で,応仁年間(1467~68)竹ヶ鼻城の築城を契機に発達した。江戸時代から美濃縞で知られた機業を中心に発展し,木曾川対岸の尾西市とともに毛織物工業地帯を形成している。南端に宝暦4(1754)年治水工事にあたった薩摩藩士の碑や墓がある(→宝暦治水事件)。東海道新幹線,名古屋鉄道竹鼻線・羽島線が通る。名神高速道路のインターチェンジがある。面積 53.66km2。人口 6万5649(2020)。

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