中屋敷(読み)ナカヤシキ

デジタル大辞泉 「中屋敷」の意味・読み・例文・類語

なか‐やしき【中屋敷】

江戸時代大名などが上屋敷かみやしきの控えとして設けた屋敷。→上屋敷下屋敷

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精選版 日本国語大辞典 「中屋敷」の意味・読み・例文・類語

なか‐やしき【中屋敷】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、上屋敷の控え、または非常の際の避難所としての屋敷。江戸での諸大名の上屋敷には奥方が、中屋敷・下屋敷には多く部屋方(妾)が居住した。〔梅津政景日記‐寛永八年(1631)六月二二日〕

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日本歴史地名大系 「中屋敷」の解説

中屋敷
なかやしき

[現在地名]洲本市山手やまて二丁目

八幡宮前はちまんぐうまえの通りの西に続く稲田氏下屋敷前の東西の通り(山下丁)の中ほどから、北へ入る南北の通り。武家地。文政(一八一八―三〇)頃には両側にも稲田九郎兵衛下屋敷があり、内下ノ屋敷丁とも称された。


中屋敷
なかやしき

[現在地名]亀山市中屋敷町

むろ北西に隣接し、亀山城の北にあたる。近世を通じて士族屋敷地で、石川氏入城の慶安四年(一六五一)には江ヶ室と合せて士分二九人、板倉氏の寛文九年(一六六九)には中屋敷に一一人が住み(亀山地方郷土史)、延享元年(一七四四)にも組外衆五人を含む一一人の家中侍の名がみえる(鈴鹿郡野史)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中屋敷」の意味・わかりやすい解説

中屋敷
なかやしき

大名屋敷一つ。上(かみ)屋敷の控え、または非常の際の避難場所として設けられた。のち大名世嗣(せいし)の邸となる。江戸城外堀の内縁に配置された。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の中屋敷の言及

【大名屋敷】より

…当初は外様大名の妻子在府にはじまり幕府も屋敷地を適宜賜与していたが,1635年(寛永12)参勤交代制の確立以来,諸大名の江戸藩邸の設置が一般化し計画的な配置が行われるようになった。とくに明暦の大火(1657)後,屋敷を上・中・下に分け,上屋敷は原則として西丸下,丸の内,外桜田,愛宕下に,中屋敷は江戸城外郭の内縁に沿う範囲に,下屋敷は近郊に与えられた。これら幕府からの拝領屋敷のほかに,百姓地を買収した抱屋敷のある場合もあった。…

【武家屋敷】より

…江戸では大名と旗本,御家人に給地され,陪臣には与えられなかった。また用途によって拝領居屋敷,中屋敷,下屋敷,抱屋敷といった類別もされた。拝領居屋敷は幕府から公給される屋敷で,上屋敷ともよばれる。…

※「中屋敷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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