日本大百科全書(ニッポニカ) 「江西盆地」の意味・わかりやすい解説
江西盆地
こうせいぼんち / チヤンシーペンティー
中国、江西省北部の盆地。鄱陽(はよう)盆地、鄱陽平原、豫章(よしょう)平原ともいう。長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン))中・下流部平原の一部をなす。中央に鄱陽湖があり、周辺の山地、丘陵部から贛江(かんこう)、修水(しゅうすい)、撫河(ぶが)、鄱江などの諸河川が流入し、その沖積作用によって形成された埋積盆地である。面積約2万平方キロメートル。贛江はその末端で十数本の分流となって湖に注ぐが、盆地上は水路と沼沢が多く、標高50メートル以下の低湿地を形成する。水稲、菜種を産する農業地域で、淡水魚養殖も盛んである。その反面日本住血吸虫の被害も多く、その絶滅が図られている。
[河野通博]