沖着物(読み)おきぎもの

精選版 日本国語大辞典 「沖着物」の意味・読み・例文・類語

おき‐ぎもの【沖着物】

  1. 〘 名詞 〙 漁師が沖に出る時着る着物。刺し子、裂き織り、または綿入れで、とっさに脱ぎやすく、櫓(ろ)もこぎやすいように、巻き袖や平袖が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖着物」の意味・わかりやすい解説

沖着物
おきぎもの

漁師が沖へ漁に出るときに着る着物。シオバレ、シトネなどとよぶ地方もあるが、全国的にはドンザとよぶ所が多い。一般に着古した普段着の古布を裂いて、何枚も重ね合わせたものを太めの木綿糸で刺して仕立て、寒気湿気潮風を防ぐことに利する。長崎県の五島列島などでは、長ドンザと中ドンザを用意し、中ドンザは洋服くらいの長さでもっぱら仕事着に使い、長ドンザは膝(ひざ)まであって夜寝るときに着る。

[野口武徳]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沖着物」の意味・わかりやすい解説

沖着物
おきぎもの

漁師が沖で漁業にたずさわるときに着る着物。オキギ,シオバレなどともいわれるが,全国的にみると沖着物をドンザと呼ぶ地方が多い。たいていは古布を何枚も重ねて刺しつけたもので,サシコと呼ぶ地方もある。潮風の寒気と湿気を防ぐのに便利なものである。

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