沢良宜庄(読み)さわらぎのしよう

日本歴史地名大系 「沢良宜庄」の解説

沢良宜庄
さわらぎのしよう

茨木川下流域、江戸時代の島下しましも沢良宜東さわらぎひがし・同西にし・同はま三ヵ村を庄域としたとみられ、史料により単に沢良宜また沢良宜村とも出、佐和良木・草和良宜とも書く。立庄の時期は明らかでないが、摂関家領として成立したと考えられ、のち近衛家に伝領された。建長五年(一二五三)一〇月二一日の近衛家所領目録(近衛家文書)に「庄務本所進退所々」として「沢良宜公頼朝臣」とあるのが初見。近衛家が本所、公頼が預所であった。後代の史料だが「後法興院雑事要録」の文明一一年(一四七九)分によると当時の近衛家領沢良宜庄は「四拾弐石内 廿貫文御料所分 十石宮内卿入道給 相残給主得分十二石」であった。四二石とあるが、これが近衛家領としての本来の姿を表しているものと推測される。

平安時代には当地に珍皇ちんこう(現京都市東山区)領があり、寛治六年(一〇九二)六月一二日付の僧定尊田畠売券案(東寺百合文書)によると、摂津国島下郡佐和良木村にあった左衛門尉源師行の田地六反が珍皇寺内の田畑一反と交換されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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