河北庄(読み)かわきたのしよう

日本歴史地名大系 「河北庄」の解説

河北庄
かわきたのしよう

筑後国御井みい郡に置かれた京都北野社領庄園。鎮守北野天満宮(現北野町)にちなみ、北野庄ともいう。正治二年(一二〇〇)北野社の推薦で「河北庄」地頭に補任された北野家兼は、所当を奪ったため地頭職を停止された(同年六月一四日「鎌倉幕府将軍家下文案」北野神社文書/鎌倉遺文 補遺編一)。北野氏は停止後も地頭であったらしく、元久元年(一二〇四)北野宮寺所司の訴えにより幕府はあらためて北野氏の自由非法を停止し、社家の進止とするよう命じている(六月二七日「北条時政書状」早稲田大学図書館蔵文書/鎌倉遺文 補遺編一)。のち地頭職は没収され名越朝時に与えられたが、北野宮寺の要請により嘉禄三年(一二二七)社家の進止となった(同年八月二一日「某下文案」北野神社文書/鎌倉遺文六)。寛喜三年(一二三一)北野諸王丸(家兼の孫、家重)が下司職に補任されたが(同年一二月一三日「基空請文案」同上)、弘安三年(一二八〇)家重と北野社雑掌が相論に及び、地頭職は社家の進止とされた(同年四月七日「六波羅下知状」同文書/鎌倉遺文一八)。同七年家重は越訴を企てたが、幕府によって退けられた(同年三月四日「関東下知状案」同文書/鎌倉遺文二〇)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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