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越訴 エッソ

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デジタル大辞泉の解説

えっ‐そ〔ヱツ‐〕【越訴】

[名](スル)おっそ(越訴)」に同じ。

おっ‐そ〔ヲツ‐〕【越訴】

江戸時代、管轄の役所・役人を越えて上級の官司に提訴したこと。直訴(じきそ)駆け込み訴えはこの類。
中世、敗訴人が裁判に誤りがあるとの理由で、上訴再審請求をしたこと。

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百科事典マイペディアの解説

越訴【おっそ】

近代以前の訴訟制度上の用語。しかるべき順序を踏まない訴えのこと,また鎌倉・室町時代再審制度。前者は古代以来原則として禁止されていたが,近世には広く違法な直訴をいい,村役人が村の利益を代表して越訴することは17世紀の百姓一揆の特徴となった。
→関連項目信達騒動評定所三浦命助

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世界大百科事典 第2版の解説

おっそ【越訴】

近世までの訴訟制度上の用語。二つの場合があり,第1は超歴史的な概念で,しかるべき訴訟の順序をふまない訴えのことを言い,これはいつの時代にも禁止されていた。第2は,鎌倉幕府室町幕府のもとで存在していた再審制度の称である。
[古代・中世]
 第1の場合。律令制では訴えの提起は,京においては京職(きようしき),地方においては郡司に対してまずなされるべきものであり,上訴する場合は京職→刑部省→太政官,郡司→国司→太政官と順を追うべきものとされ,その順序をふまない訴えは越訴として処罰の対象とされた。

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大辞林 第三版の解説

えっそ【越訴】

( 名 ) スル

おっそ【越訴】

一定の順序を経ないで、直接上級の官司に訴えること。律令制以降、全時代を通じて原則として禁止され、特に江戸幕府はこれに厳罰を与えた。えっそ。
中世の訴訟手続きで、判決の過誤の救済手続き。敗訴した者が、判決に誤りがある旨を書面で訴え出て、再審理を求めること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

越訴
おっそ

江戸時代、所定の手続を経ないで訴えまたは願い出ること。訴訟については、たとえば、評定所(ひょうじょうしょ)の管轄する事件であっても、訴状は寺社、町または勘定の各奉行所(ぶぎょうしょ)に提出すべきであるのに、直接評定所に提出する類をいう。直訴(じきそ)、駈込訴(かけこみうったえ)および駕籠訴(かごそ)も広い意味の越訴である。名主、代官らが訴願を取り次いでくれないときに行われたもので、直訴は将軍、大名などに直接願い出ることをいい、駕籠訴は途上で老中や領主などの駕籠に訴願書を投げ入れたり、または直接訴願することをいう。駈込訴は、通常の手続では訴願が受理されないとき、奉行所や幕府の有力者、領主の屋敷などに駆け込んで訴願することをいう。義民(ぎみん)といわれる佐倉惣五郎(そうごろう)や磔(はりつけ)茂左衛門などは有名な直訴の例であるが、一般に直訴した者は死刑の厳罰を受けた。その他の場合にも、訴願した者はいずれも処罰された。なお、鎌倉・室町時代の越訴は、判決の過誤を救済する再審請求制度であり、越訴方(頭人(とうにん)・奉行人)が審理を担当した。[石井良助]

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世界大百科事典内の越訴の言及

【永仁の徳政】より

…そのおもな内容は,(1)今後御家人所領の売買・質入れを禁止する,(2)すでに売買・質入れされた所領は,無償で本主に返付させる,(3)ただし買得安堵状を下付されたもの,または20年の年紀を超過したものは除外する,(4)債権債務に関する訴訟を受理しない。債権確認の下知状をもつものでも,債務不履行の訴えをとりあげない,(5)越訴(おつそ)制を廃止する,の5点である。立法直後の4月,常陸の留守所が本法令を適用し,6月には山城で徳政忌避のため売券とともに譲状が作成されるなど社会的反響はきわめて大きかった。…

【強訴】より

…しかし小百姓が成長し,訴訟の体験を重ねることを通じて,やがて苛政に対して順を踏まない違法な直訴の方法で農民の要求を実現しようとする闘争が生まれてきた。17世紀中・後期には,惣百姓の意向を体して村役人が単独もしくは少数で直訴する村役人代表越訴(おつそ)が多かったが,そのなかから,惣百姓が徒党して直接に直訴する惣百姓強訴の闘争が発展してきた。早いものは延宝年間(1673‐81)に現れ,1686年(貞享3)の加助騒動は代表越訴と強訴の両方がみられる一揆である。…

【庭中】より

…鎌倉末・南北朝期,朝廷の記録所や院の文殿(ふどの)に庭中と呼ぶ訴訟手続があり,暦応雑訴法の規定では,手続の過誤の救済を求めるものと思われる。鎌倉・室町両幕府法では,手続の過誤の救済を求める特別訴訟手続をいい,内容の過誤の救済を求める越訴(おつそ)=再審請求とは厳密に区別される。鎌倉幕府の場合,(1)関東では評定の座で訴える御前庭中と引付の座で訴える引付庭中とがあるが,いずれも口頭で訴える,(2)六波羅探題には庭中奉行があって,庭中申状を提出する,の二つの制度があった。…

【百姓一揆】より

佐倉惣五郎のような伝説的義民が生みだされるのは,このような時期である。惣百姓結合を土台にしているが,形態は村役人越訴(おつそ)闘争が中心になる。それは単独の行動から若干名の行動までさまざまであるが,惣百姓がそのまま参加するのではない点で共通する。…

※「越訴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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