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進止 しんし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

進止
しんし

進退ともいう。土地や人間を支配し,処分する権能のあること。下地進止,一円進止,進止権などと用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

しん‐し【進止】

《「しんじ」とも》
立ち居振る舞い。挙動。
「小乗声聞の法をもて、大乗菩薩法の威儀―を判ず」〈正法眼蔵・三十七品菩提分法〉
土地や人間などを占有し、思うままに支配すること。
「田園ことごとく一家の―たり」〈平家・二〉

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世界大百科事典 第2版の解説

しんし【進止】

進退〉もほぼ同義原義は進むことと止まること,つまり進退,挙動,行動そのものを指す言葉であるが,すでに中国でも,他人のそれについての指示という意味をももっており,これが日本に伝わり,〈進止すべし〉(《左経記》)と〈進止を蒙る〉(《令集解》)の二つの用法が並び行われたが,やがて後者の意味が拡大して,人や物を自己の意思に従って自由に取り扱い,あるいは処分する意味に広く用いられるようになった。〈国郡半ば過て一門の所領となり,田園悉く一家の進止たり〉(《平家物語》),〈平家は皆亡びぬ。

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大辞林 第三版の解説

しんし【進止】

〔「しんじ」とも〕
立ち居振る舞い。挙動。 「大乗菩薩法の威儀-を判ず/正法眼蔵」
土地や人間を占有・支配すること。管領。 「田園ことごとく一家の-たり/平家 2

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

進止
しんし

中世から近世において領主が土地や財産、さらには人間を支配する権能の歴史概念。類似の用語「知行(ちぎょう)」との相違については第二次世界大戦前以来論争がある。「進止」をわが国固有の法である「占有」と規定し、両者を同一のものとして基本的差異を認めない学説に対し、戦後の法制史家の間では両者の差異を認めながらも内容の定義では見解が異なっている。ただ「進止」の本来的な意味については所領・所職の補任(ぶにん)やそれらを「充行(あておこな)う権能」、その改易や没収する権能など広義の「処分する権能」という点では見解が共通している。つまり、一定の土地(下地(したじ))について、その土地からの収益処分、用益権を知行と呼ぶのに対し、下地そのものの支配権や処分権を進止と称するのであり、両者をあわせもつ場合には一円進止とよばれた。[木内正広]
『石井良助著『日本法制史概説』(改版、1960・創文社)』

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