沸返・湧返(読み)わきかえる

精選版 日本国語大辞典 「沸返・湧返」の意味・読み・例文・類語

わき‐かえ・る ‥かへる【沸返・湧返】

〘自ラ五(四)〙
① 湯が激しく煮えたぎる。にえくりかえる。沸騰する。
名語記(1275)六「湯のさらさらとわきかへるなどいへる」
② 勢いよくわき出る。盛んにわき上がる。また、水がさかまく。たぎる。
蜻蛉(974頃)上「水は石がちなる中よりわきかへりゆく」
③ 恋の思いや怒りの感情で心が激しく動揺する。
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「せきとめたらましかばと、わきかへる心地し給へどかひなし」
大勢が熱狂して騒ぎたてる。また、激しく混雑する。大騒ぎになる。
たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉五「団子屋頓馬も唯は置ぬと潮のやうに沸(ワキ)かへる騒ぎ」

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