コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ワキ ワキ

4件 の用語解説(ワキの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワキ
ワキ

能における,主役のシテに対する役。多くの場合シテの演技を受止めたり,引出したりすることを本分とする。脇とも書き,古くは脇の仕手と呼ばれ,室町時代末頃から,ワキ方専門の職として定まった。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

ワキ

シテに対する能の役柄。古くは脇の仕手といい,シテに次ぐ演者である。常に現実の男性の役で登場,能面を用いない。ワキを通して観客がシテの幻影を見るといった形の旅僧などの役も多いが,シテと同時代の人物で,戯曲的に対立する役柄もある。
→関連項目アド

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

わき【ワキ】

能の役種。シテの相手役。脇とも書く。僧侶,神職,朝臣,武士などの役柄が多く,かならず男性であり,現実の生きている人間の役なので,面(おもて)をつけることはない。たとえば《井筒》の旅僧,《羽衣》の漁夫,《船弁慶》の弁慶などである。ワキの同僚,または従者として出る役はワキヅレと呼ぶ。夢幻能(むげんのう)の作劇法では冒頭にワキが登場して,時,所,劇的シチュエーションを設定することから話が始まる例が多く,シテ登場後は,シテの演技の引出し役に徹する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワキ
わき

能の用語。能の主役であるシテに対し、脇役(わきやく)を勤める専門職。女性や老人、また神や鬼などの異次元の存在に扮(ふん)することはまったくなく、現実の男性のみを演じ、つねに直面(ひためん)(素顔)で、能面を用いることはなく、舞を舞わない。『邯鄲(かんたん)』のワキだけは夢のなかの人物であり、また『楊貴妃(ようきひ)』のワキは、仙界に分け入る超能力者として描かれている。『安宅(あたか)』や『船弁慶(ふなべんけい)』など、シテと対立する役もあり、ワキのほうが激しく動いて主役の観のある『張良(ちょうりょう)』『羅生門(らしょうもん)』などの例もあるが、諸国一見の旅僧のような役が多い。しかし、能の導入部を担当したあと、舞台の一隅に座したままのワキの存在感は、能の成否を左右するほど重要である。ワキツレ(ワキに従属する役)を伴う曲目もあり、『小袖曽我(こそでそが)』『初雪(はつゆき)』のようにワキの役を欠く曲目もある。
 ワキ方は、室町末期にシテ方から独立して専門職となったとされている。江戸時代にはワキ方各流はシテ方各流の座付きの専属制であったが、明治以降は自由契約制度でシテ方の主催する舞台を勤める。ワキ方五流があったが、進藤(しんどう)流は明治初期に、春藤(しゅんどう)流は大正期に廃絶し、現在は高安(たかやす)流、福王(ふくおう)流、宝生(ほうしょう)流の三流である。宝生流はシテ方と区別するために下掛(しもがか)り宝生流とよばれる。高安流の謡(うたい)は金剛流、福王流は観世(かんぜ)流に酷似しているが、下掛り宝生流は独自のワキの謡と芸風を開発している。芸術院会員には故宝生新(しん)、故宝生弥一(やいち)、重要無形文化財各個指定(人間国宝)には故松本謙三(けんぞう)、故宝生弥一、森茂好(しげよし)が選ばれており、いずれも下掛り宝生流である。その後継者に宝生閑(かん)、鏑木岑男(かぶらぎみねお)、野口敦弘(あつひろ)、工藤和哉(かずや)、殿田謙吉らがある。長い時間ただ座っている役も多く、じみな役だけに後継者難に陥っている。なお、山形県の農民の継承する黒川能では、ワキ方は独立しておらず、シテ方から出るが、少年に演じさせる習慣もある。[増田正造]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のワキの言及

【能】より

…なお,このころ喜多(きた)七大夫が一流(喜多流)の創立を許され,併せて〈四座一流〉と称された。また座の制度のほかに,シテ方ワキ方など専門別の役籍が定められ,各役籍に数個の流派が確立した。流派には家元があって芸を統制し,習事(ならいごと),免状,伝授手続きなどの形式が整えられた。…

【ワキ方】より

…能楽において,能のワキ,ワキヅレ,ワキ後見の各役を担当する演者とその集団。シテ方囃子方狂言方に対しての呼称。…

【脇役】より

…例えばブロードウェー演劇を対象とするトーニー賞には,助演男優賞と助演女優賞という部門があるのがそれである。 なお,日本の能のワキはシテを中心とする劇の展開を助けるという意味で,また狂言のアドはシテに対して副次的な役であるという意味で,いずれも一種の脇役であるといえる。【喜志 哲雄】。…

※「ワキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

ワキの関連キーワード合方相手取る相手役賢徳手役相方抜花ワキ(能)アド(狂言)

今日のキーワード

平野美宇

卓球選手。2000年4月14日、静岡県生まれ、山梨県育ち。3歳で卓球を開始。07年に小学1年生で全日本選手権大会バンビの部優勝、09年に小学2年生で同大会ジュニアの部初出場を果たし、注目を集めた。13...

続きを読む

コトバンク for iPhone

ワキの関連情報