油鉢(読み)ゆはつ

精選版 日本国語大辞典 「油鉢」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐はつ【油鉢】

〘名〙
② (油を入れた鉢を持って一滴もこぼさないで行くことはきわめてむずかしいところから) 仏語正念を持することの至難であることをたとえていう語。
性霊集‐二(835頃)大唐青龍寺故三朝国師碑「浮嚢不他、油鉢常自持」

ゆ‐ばち【油鉢】

〘名〙 油を入れる鉢。ゆはつ。
演歌金色夜叉の歌(1907‐12頃)〈唖蝉坊〉「月美(うるは)しく海原は 油鉢(ユバチ)の様に凪ぎ渡り」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「油鉢」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐はつ【油鉢】

油を入れた鉢。ゆばち。
仏語。油を満たした鉢をこぼさないで持つことは困難なところから、正念しょうねんの保事の困難さをたとえていう語。

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