沼井村(読み)ぬまのいむら

日本歴史地名大系 「沼井村」の解説

沼井村
ぬまのいむら

[現在地名]那須町沼野井ぬまのい

南東流するくろ川と余笹よささ川がつくる小谷状の地や丘陵中腹におもな集落が発達、南は稲沢いなざわ村、北は伊王野いおうの村、東は芋淵いもぶち村。沼野井、沼ノ井とも記す。中世には「那須記」などに散見する那須氏一門の沼野井氏が住し、一帯に勢力があったと伝え、字名として堀之内ほりのうち・じんしろ(陣城か)などが残る。天正一八年(一五九〇)大関氏が豊臣秀吉から安堵された所領のうちに沼ノ井とあり、「あくつ」と合せて高一一四石(「黒羽藩領知高書上」宇都宮大学附属図書館蔵)近世を通じ黒羽藩領であったと推定される。慶安郷帳では田高五六石・畑高二八石。元禄郷帳では高一一四石余。「創垂可継」封域郷村誌巻一は当村の枝村として田中たなか大林おおばやし堀之内清水しみず輪台わだい砂野目すなのめ樋世原ひよばら・芋淵などの諸村をあげ、同巻二では沼野井村は田方七町二反余・畑方一六町五反余、家数二三、ほかに樋世原村は田方七町八反余・畑方七町四反余、家数一二、砂野目村は田方三町六反余・畑方七町二反余、家数八。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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