波佐谷村(読み)はさだにむら

日本歴史地名大系 「波佐谷村」の解説

波佐谷村
はさだにむら

[現在地名]小松市波佐谷町

大杉谷おおすぎだに川流域の山間にあり、北は長谷ながたに村。波左谷・蓮谷・婆娑谷とも記し、「はすんだ」「はすだん」とも発音する。明応九年(一五〇〇)と推定される一〇月一三日の臨川りんせん(現京都市右京区)大野おおの(現金沢市)の庄主殊全書状(天龍寺文書)に「蓮谷殿」とあり、本願寺蓮如の三男蓮綱をさしている。当地に賀州三ヵ寺の一つで、蓮綱を開基とする本願寺派の一家衆寺院松岡しようこう寺が所在した。波佐谷松岡寺縁起(聖光寺蔵)では宝徳三年(一四五一)蓮如による波佐谷坊建立を主張し、のち蓮綱の古屋敷ふるやしき村の坊と合併し、永正一四年(一五一七)松岡寺の寺号を名乗ったとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報