小松市(読み)コマツシ

デジタル大辞泉 「小松市」の意味・読み・例文・類語

こまつ‐し【小松市】

小松

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「小松市」の解説

小松市
こまつし

面積:三七一・一三平方キロ

県南部に位置し、北西は日本海に面する。西は加賀市・山中やまなか町、南は福井県勝山市、東は石川郡白峰しらみね村・尾口おくち村・鳥越とりごえ村、北は辰口たつのくち町・寺井てらい町・根上ねあがり町に接する。南東部は白山連峰に連なる丘陵・山岳地帯で、市域はここに端を発する手取川支流の大日だいにち川水系とかけはし川水系に区分される。大日川は大日山を水源とし、各支流を合せて北流し、鳥越村河合かわいで手取川に合流する。大杉谷おおすぎだに川と郷谷ごうだに川が市内大野おおの町で合流して梯川となり、下流で東方より流れてくる鍋谷なべたに川を合流、安宅あたか町で日本海に注ぐ。梯川は加南地方最大の川で、一級河川。河口付近は安宅川と俗称される。下流域には加賀三湖や小松市街地を含む沖積平野が形成されている。一方、度々洪水の被害をもたらし、大きな水害として寛文八年(一六六八)、同一一年、延宝七年(一六七九)、天明三年(一七八三)、寛政元年(一七八九)、弘化四年(一八四七)、嘉永二年(一八四九)、安政六年(一八五九)、明治一七年(一八八四)、同二九年、同三五年、同四三年、昭和九年(一九三四)、同二四年のものが知られる(石川県災異誌)。梯川からの用水として軽海かるみ用水があり、明治二五年に作られている。軽海町で取水し左岸一帯七一七町歩余を灌漑する。旧江沼郡地区には矢田野やたの用水があり、大聖寺藩が広橋五太夫を工事主任として、延宝八年完成させた。

市街中心部の東側をJR北陸本線が南西から北に走り、その東側をほぼ並行して国道八号が通る。国道四一六号は市域を南北に縦断する。市街地中央部を安宅新―安宅線(旧北陸街道)が抜け、海岸線沿いを北陸自動車道が通じる。市街地西部に航空自衛隊小松基地に併設して小松空港があり、県の空の玄関口となっている。旧北陸街道より西の海岸近くを通る道もあり、湊回みなとまわり往来(湊回道・湊往来)とよばれた。小松市茶屋ちやや町で北陸街道より分岐し、北上して梯町・御館おたち町・大島おおしま町を通り、根上町高坂たかさかしもごう浜開発はまかいはつ福島ふくしま吉原よしはらを経て美川みかわみなとを貫通して手取川河口に至る。

〔原始〕

縄文時代遺跡は加賀三湖周辺の低丘陵に顕著にみられ、津波倉つばくら町の大谷おおたに貝塚、四丁しちよう町の念仏林ねんぶつりん遺跡がよく知られ、念仏林遺跡は大型竪穴住居跡を検出したことで重要である。また梯川上流にある山崎大杉谷やまさきおおすぎだに遺跡は中期後葉の標式遺跡として著名。弥生時代には梯川流域の沖積地に集落が集在する。とくに重要なのは櫛描文系土器の標式となっている八日市地方ようかいちじがた遺跡で、ほかに梯川鉄橋かけはしがわてつきよう遺跡や漆町うるしまち遺跡群が知られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小松市」の意味・わかりやすい解説

小松〔市〕
こまつ

石川県南西部,金沢平野の南部にある市。南は一部福井県に接し,北西は日本海に面する。1940年市制。1955年矢田野村,那谷村,中海村の 3村と月津村の一部,1956年金野村,西尾村,新丸村,大杉谷村の 4村と国府村の一部をそれぞれ編入。市名の由来は花山法皇(→花山天皇)が小松を植樹したという伝承による。中心市街地小松は古くは北陸街道宿場町で,寛永16(1639)年前田利常が芦城を築き,殖産興業を奨励して発展。道路網は整然としており,関西風の民家が並ぶ。江戸時代以来の伝統を誇る絹織物工業,合成繊維織物工業のほか第2次世界大戦中から興った機械工業が盛ん。周辺の農村部では米作が行なわれ,九谷焼,小松表(畳表)を特産する。福井県との県境にある大日山の北麓一帯は加賀市山中温泉九谷磁器窯跡(国指定史跡。→古九谷古窯址)などとともに山中・大日山県立自然公園に指定。中央部の丘陵地帯には粟津温泉,那谷寺(本堂などが国の重要文化財に指定)があり,那谷寺庫裏庭園は国指定名勝。市域北部の梯川(かけはしがわ)沿いにある小松天満宮は,本殿,神門などが国の重要文化財に指定。市域北西の平野部には加賀三湖の一つ木場潟,海岸部の安宅には関所跡があり,付近に北陸自動車道のインターチェンジがある。市街地を JR北陸本線,国道8号線,305号線などが通り,北西郊外に自衛隊と共用の小松空港をもつ。面積 371.05km2。人口 10万6216(2020)。

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