泣濡(読み)なきぬらす

精選版 日本国語大辞典 「泣濡」の意味・読み・例文・類語

なき‐ぬら・す【泣濡】

〘他サ五(四)〙 泣いて涙で袖などをぬらす。
万葉(8C後)二〇・四四〇八「若草の 妻も子どもも をちこちに 多(さは)に囲み居 春鳥の 声の吟(さまよ)ひ 白たへの 袖奈伎奴良之(ナキヌラシ)

なき‐そぼ・つ【泣濡】

〘自タ四〙 (古くは「なきそほつ」) 泣いた涙にぬれる。泣きぬれる。
書紀(720)武烈即位前・歌謡玉笥(たまけ)には 飯さへ盛り 玉盌に 水さへ盛り 儺岐曾裒遅(ナキソホチ)行くも 影媛あはれ」

なき‐ぬ・れる【泣濡】

〘自ラ下一〙 なきぬ・る 〘自ラ下二〙 泣いた涙でほおがぬれる。泣きそぼつ。
一握の砂(1910)〈石川啄木〉我を愛する歌「東海小島の磯の白砂に われ泣(ナ)きぬれて 蟹とたはむる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android