津之江村(読み)つのえむら

日本歴史地名大系 「津之江村」の解説

津之江村
つのえむら

[現在地名]高槻市津之江町一―三丁目・芝生しぼう町二―三丁目・津之江北つのえきた町・川西かわにし町三丁目・朝日あさひ

庄所しようどころ村の西にあり、あくた川右岸に位置する。東西に富田とんだ街道が通る。地名の由来は太古この地まで海津の入江であったためとする説(明治一二年「津之江村誌」)もあるが、催馬楽の「難波の海」に「難波の海 難波の海 漕ぎもて上る 小舟大船 筑紫津までに 今少い上れ 山崎までに」とある「筑紫津」すなわち「川久之川つくしつ」を当地にあてる説が有力。村内に筑紫津つくしつ神社がある。貞治五年(一三六六)九月一〇日の木工庄四ケ村打渡状(天龍寺宝筐院文書)に観林寺領木工たくみ庄四ヵ村として「本郷 安満 津江 勅旨」がみえ、康正二年造内裏段銭并国役引付に京都東山妙法院領「津江庄」が載る。「招提千歳伝記」に津江庄は等持院殿(足利尊氏)寄進とみえる。なお木工庄は往時木工寮領であったらしく、津江村は本来の木工本たくみほん庄とは別に、のちに新たな木工庄が成立した時に付加わったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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