津奈木村(読み)つなぎむら

日本歴史地名大系 「津奈木村」の解説

津奈木村
つなぎむら

[現在地名]津奈木町津奈木

文安五年(一四四八)頃の犬童氏の忠節の働きぶりを記した犬童重国軍忠状案(犬童文書)に津奈木の地名があるが、それ以前の正平九年(一三五四)閏一〇月日の津奈木某申状案(相良家文書)に「肥後国葦北庄津奈木」の人名がある。「八代日記」によれば、大永七年(一五二七)相良氏の内紛により、人吉ひとよし・八代を追われた相良長定が「八月三日(中略)津奈木ニ御在城」とあり、津奈木は長定とそれに与同する相良氏の葦北支配の責任者犬童長広や葦北地元勢の中心となった。しかし、対抗する相良義滋の攻撃により、享禄元年(一五二八)田浦たのうら(現田浦町)、翌年七月六日佐敷さしき(現芦北町)が落ち、同年一一月一九日には「湯浦城(ママ)参犬童又三郎方・同美作(重安)方如津奈木退散」という状況に追いこまれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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