流動的過剰人口
りゅうどうてきかじょうじんこう
flüssige Übervölkerung; floating surplus-population
K.マルクスによって規定された相対的過剰人口 (産業予備軍) の一形態。好況期には就業し,不況期には解雇されるというように,絶えず失業と就業とを繰返している労働者人口をいう。ほかに農村に滞留する次男,三男に典型的にみられる潜在的過剰人口 latente Übervölkerung,日雇労働者に典型的にみられる停滞的過剰人口 stockende Übervölkerungがその形態として存在するとする。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の流動的過剰人口の言及
【過剰人口】より
…適度人口に比し多すぎる人口が過剰人口ということになるが,[マルサス]の絶対的過剰人口(人口を扶養するに足る食糧供給量以上に増加した人口)論に対し,[マルクス]は相対的過剰人口relative surplus‐population論を主張した。マルクスのこの概念は主として社会経済的なものであって,次のようなものである。資本主義社会制度のもとにおいては,〈[資本の有機的構成]〉の高度化の結果として失業者が生ずる。これが[産業予備軍]とよばれる相対的過剰人口である。…
※「流動的過剰人口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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