浅草紅団(読み)アサクサクレナイダン

デジタル大辞泉 「浅草紅団」の意味・読み・例文・類語

あさくさくれないだん〔あさくさくれなゐダン〕【浅草紅団】

川端康成長編小説未完。昭和4年(1929)から翌昭和5年(1930)にかけて、はじめ東京朝日新聞で連載、のち「新潮」「改造」にも断続的に掲載浅草不良少女に導かれ、路地裏の人々の生活目の当たりにした「私」によるルポルタージュという体裁をとる。

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精選版 日本国語大辞典 「浅草紅団」の意味・読み・例文・類語

あさくさくれないだん‥くれなゐダン【浅草紅団】

  1. 長編小説。川端康成作。昭和四~五年(一九二九‐三〇発表、未完。東京浅草に住む非行少年少女を中心に関東大震災後の浅草風俗を描く。

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世界大百科事典(旧版)内の浅草紅団の言及

【浅草】より

…関東大震災のとき,その凌雲閣は8階部分から折れ,浅草の大部分は焼失したにもかかわらず,浅草寺本堂以下の堂宇が焼け残ったことから,その霊験を信ずる人々と,六区の活動写真館街にくり出す人々で,昭和前期の浅草は身動きもできない雑踏の中にあった。このころの歓楽の町浅草の様子は川端康成の《浅草紅団(くれないだん)》(1930)によく描かれている。【小木 新造】。…

【変装】より

…そして,その後に定着した典型的な用法としては,たとえば〈探偵の変装〉〈警官の変装〉といったように,正体を隠すための便宜的なそれを指すというニュアンスがかなり強い。しかし,元来,この〈変〉と〈装〉という二つの漢字によって表現しうる意味の射程はより広く多様なものであり,事実,いくつかの小説では,より一般的な意味でこの語が使われている(たとえば川端康成の《浅草紅団(くれないだん)》(1929‐30)では〈……考えてみると,銀座は化粧で沢山だ。変装を必要とするほど,陰の多い街ではない。…

※「浅草紅団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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