改造(読み)かいぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

改造
かいぞう

総合雑誌。 1919年4月~55年2月。うち 44年7月~45年 12月は中断。月刊。山本実彦の手で改造社の創立3ヵ月後に創刊された。社会主義思想家の寄稿を多く求め,『中央公論』と並ぶ二大総合誌としての声価を得た。創作欄の充実にも力を注ぎ,幸田露伴の『運命』,志賀直哉の『暗夜行路』をはじめ,大正,昭和文学を代表する名作が多く発表されている。山本の没後,改造社の倒産と運命をともにして廃刊

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デジタル大辞泉の解説

かい‐ぞう〔‐ザウ〕【改造】

[名](スル)建物・機械・組織などをつくり直すこと。別の用途にかなうようにつくりかえること。「応接間を改造する」「内閣改造

かいぞう〔カイザウ〕【改造】

総合雑誌。大正8年(1919)4月、山本実彦創立の改造社が創刊。大正デモクラシー思潮を背景に進歩的な編集方針をとり、文芸欄にも力をそそいだ。昭和30年(1955)廃刊。

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百科事典マイペディアの解説

改造【かいぞう】

1919年山本実彦(さねひこ)創立の改造社が同年創刊した総合雑誌大正デモクラシー運動の高揚を背景として,民衆解放の主張を掲げ,自由主義・社会主義的論文を多く載せ,海外新思想,新知識の導入に貢献。大正末期には《中央公論》と並ぶ雑誌となった。改造社はまた,書籍の発行では円本ブームの端緒をひらいたほか,1929年には《改造文庫》を創刊。しかし戦時期には,泊事件,横浜事件などの思想・言論弾圧を受け,1944年6月号で休刊。戦後1946年復刊したが,1954年末以来の解雇を発端とする争議の結果,1955年2月号で廃刊。
→関連項目暗夜行路河童(文学)上林暁太陽貧乏物語山之口貘

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世界大百科事典 第2版の解説

かいぞう【改造】

大正デモクラシー運動の高揚期に改造社の山本実彦(さねひこ)によって1919年(大正8)4月創刊された総合雑誌。創刊当初は明確な編集方針をもたず発行部数3万部(定価35銭)のうち多くが返品されたが,4号から当時の社会改造思想を正面にすえた特集を組み,多くの読者をつかんだ。20年賀川豊彦の連載《死線を越えて》を単行本化して成功。B.ラッセル,サンガー夫人,アインシュタインなどの外国知識人を招いたり,プロレタリア文学流行期にはそれに多くの誌面を割くなど,つねに時代の新思潮を敏感にとらえ大正末年には《中央公論》とならぶまでに成長した。

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大辞林 第三版の解説

かいぞう【改造】

( 名 ) スル
物事をつくりなおすこと。改めてつくりかえること。 「内閣を-する」 「台所の-」

かいぞう【改造】

総合雑誌。1919年(大正8)改造社(山本実彦主幹)が創刊。大正デモクラシーの潮流を背景に進歩主義的ジャーナリズムの代表的存在であった。1955年(昭和30)に廃刊。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

改造
かいぞう

総合雑誌。改造社から1919年(大正8)4月、山本実彦(さねひこ)が創刊。大正デモクラシーの思潮を背景として生まれた社会問題や社会主義思想に関する論文を掲載し、河上肇(はじめ)、櫛田(くしだ)民蔵、山川均(ひとし)、大森義太郎(よしたろう)らのマルクス学者を執筆者として登場させ、社会主義に鋭い関心を示した。第一次世界大戦後の不況、関東大震災による混乱、世界恐慌、慢性的失業、軍国主義日本の満州侵略という事態に対して、マルクス主義の立場からの論文は、当時の多くの若者をとらえた。創作欄も充実しており、志賀直哉(なおや)『暗夜行路』、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)『河童(かっぱ)』、堀辰雄『風立ちぬ』など、近代の日本文学史に残る名作を掲載した。評論家宮本顕治、小林秀雄、作家芹沢光治良(せりざわこうじろう)、保高(やすたか)徳蔵らは、いずれも『改造』懸賞評論・懸賞小説が生んだ人々である。またバートランド・ラッセルの論文を載せたり、アインシュタインを日本に招待して、海外の新思想の紹介に努めた。
 しかし、満州事変から太平洋戦争への過程のなかで、編集は後退。戦争下の1942年(昭和17)8~9月号の細川嘉六(かろく)の論文「世界史の動向と日本」は、情報局の事前の検閲は通過したのに、陸軍報道部に摘発されて発禁となり、この事件を機として編集者や執筆者が神奈川県特高に検挙され「横浜事件」に発展した。44年6月に改造社は軍部によって解散させられた。敗戦後再刊されたが、55年(昭和30)1月、編集部全員首切りをめぐる労働争議が起こり、55年2月号で廃刊になった。[松浦総三]

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世界大百科事典内の改造の言及

【総合雑誌】より

… 徳富蘇峰が1887年に創刊した《国民之友》は,彼が青年期に主唱した平民主義の論説や民友社同人らの評論とともに,二葉亭四迷などの小説を掲載して,総合雑誌の基本的なスタイルを確立した。博文館の《太陽》(1895)もその形式にならったが,これをいっそう大胆に発展させたのが大正時代の《中央公論》と《改造》とであった。《中央公論》(1887年創刊の《反省会雑誌》が99年に改題)の編集長滝田樗陰(ちよいん)は,吉野作造を起用して民本主義の論説評論を連打するとともに若い作家群を発掘して魅力を加えた。…

【横浜事件】より

…太平洋戦争下の特高警察による,研究者や編集者に対する言論・思想弾圧事件。1942年,総合雑誌《改造》8,9月号に細川嘉六論文〈世界史の動向と日本〉が掲載されたが,発行1ヵ月後,大本営報道部長谷萩少将が細川論文は共産主義の宣伝であると非難し,これをきっかけとして神奈川県特高警察は,9月14日に細川嘉六を出版法違反で検挙し,知識人に影響力をもつ改造社弾圧の口実をデッチ上げようとした。しかし,細川論文は厳重な情報局の事前検閲を通過していたぐらいだから,共産主義宣伝の証拠に決め手を欠いていた。…

※「改造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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