朝日日本歴史人物事典 「浅野長直」の解説
浅野長直
生年:慶長15(1610)
江戸時代前期の大名。父は浅野長政の3男で常陸国(茨城県)笠間城城主長重。寛永9(1632)年父の遺領を継ぐが,正保2(1645)年播州(兵庫県)赤穂郡他5万余石に転封。入封時,赤穂には城郭の構えがなかったが,慶安1(1648)年幕府の許しを得て築城におよんでいる。また大坂の商人らの勧めで沿海部の塩浜を,それまでの揚浜から新式の入浜塩田に改め,さらに続々と新田を開発。塩田は浅野氏の時代中に127町歩(126ha)におよび,約40万6000俵(1俵が5斗=90リットル入り)の製塩をみる。これらのほとんどが大坂に販売されて藩の財政を潤した。この時代,瀬戸内に普及した入浜塩田の多くは赤穂塩田を範とした。
(後藤陽一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報