浜出(読み)はまいで

精選版 日本国語大辞典 「浜出」の意味・読み・例文・類語

はま‐いで【浜出】

[1] 〘名〙 浜辺に行って遊ぶこと。浜辺の遊山(ゆさん)。はまあそび。
※皇太神宮年中行事(1192)贄海神事歌「我が君の 御浜出の御座船の 滑車(せみ)の上に 千代と云ふ鳥 舞ひ遊ぶ」
[2] 幸若。室町時代末頃の成立。作者未詳。別名蓬莱山」。梶原景季が左衛門司を賜わり、祝宴を催し、第一日は蓬莱山を作って、これに酒を盛り、第三日には、江の島詣でとて浜に出、船に舞台を設け、景季が太鼓役で管弦歌舞を演じたことを書いたもので、祝言曲とされる。

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デジタル大辞泉 「浜出」の意味・読み・例文・類語

はまいで【浜出】

幸若舞曲。作者未詳。室町時代の成立。梶原景季が左衛門司に任ぜられた祝い事を題材としためでたいもの。別名「蓬莱山ほうらいさん」。

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世界大百科事典(旧版)内の浜出の言及

【浜出草紙】より

…中に左衛門司を賜った梶原景時は,その位を嫡子源太景季に譲り,大名・小名が集い祝宴が催される。初番,二日目ともに酒肴やらみごとな引出物などを調え,三日目には,江の島詣にことよせて,頼朝公の北の方をはじめ大名の北の方も由比ヶ浜に浜出を企て,船の上に舞台を造り,御賀(おんが)の舞,舞楽など3日にわたり舞い奏で,所領を賜った人々はめでたく所知入りをする。浜出とは,海浜で潮干狩をしたり飲食をしたりする春の行事。…

※「浜出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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