浜庇(読み)ハマビサシ

デジタル大辞泉 「浜庇」の意味・読み・例文・類語

はま‐びさし【浜×庇】

万葉集・二七五三の「浜久木(はまひさぎ)」の表記伊勢物語で読み誤ってできた語という》浜辺の家のひさし。また、浜辺の家。多く「久し」の序詞として用いられる。
「浪間より見ゆる小島の―久しくなりぬ君に逢ひ見で」〈伊勢・一一六〉

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精選版 日本国語大辞典 「浜庇」の意味・読み・例文・類語

はま‐びさし【浜庇】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「万葉集」の「浜久木(はまひさぎ)」を読み誤ってできた語という ) 浜辺の家の庇(ひさし)
    1. [初出の実例]「浪間より見ゆる小島のはまひさし久しくなりぬ君に逢ひ見で」(出典:伊勢物語(10C前)一一六)
  3. 海辺苫屋(とまや)漁師の粗末な家。浜屋。
    1. [初出の実例]「昔日は浜(ハマ)びさしの住ゐせしが」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)

浜庇の補助注記

については、「日葡辞書」の説明などから、浜辺に打ち寄せる波が砂をえぐって庇のように見える部分ともいわれ、「俳・三冊子‐わすれ水」にも「浜庇は高砂の崩かかりたるが庇のごとく成るとなり」とある。

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