海鼠釉(読み)なまこゆう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

焼物の釉薬(ゆうやく)の一種。その釉色が海鼠に似ているところからの命名だが、二重掛けして行う失透釉で、白濁色を基調とする。釉(うわぐすり)の主成分は灰釉(かいゆう)で、長石にケイ酸分を多量に含有する成分を混ぜ高火度で焼成するが、下釉の上に類似の釉を上掛けし、釉の流動によって斑文(はんもん)・流文などが現れたもの。海鼠釉の始源はおそらく中国宋(そう)元代の鈞窯(きんよう)にまでさかのぼる。オパール現象によって青白い美しい呈色が得られ、その景色を珍重して中国、日本で美術陶磁に多く施されているが、ことに信楽(しがらき)焼、高取(たかとり)焼に多くみられる。[矢部良明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の海鼠釉の言及

【鈞窯】より

…清代雍正年間(1723‐35)の景徳鎮官窯で,監陶官の年希尭,唐英がさまざまの鈞窯風磁器を創造したこともよく知られている。鈞窯の釉薬は日本では海鼠(なまこ)釉とよばれることが多い。【長谷部 楽爾】。…

※「海鼠釉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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