浸透圧計(読み)シントウアツケイ

化学辞典 第2版 「浸透圧計」の解説

浸透圧計
シントウアツケイ
osmometer

浸透圧を測定する装置.半透膜を隔てて溶液室と溶媒室があり,溶液側に圧力を加えて溶媒の移行が止むようにし,そのときの圧力を測定する.一般に,圧力は溶液側と溶媒側の液面差で求めることができる.浸透圧計を測定方法によって分類すると表のようになる.

静圧法とは,長時間放置して平衡圧を読む方法であり,動圧法とは,いろいろの方法で溶液,溶媒両側の液面差を調節し,液面移動速度を測定して速度0のときの液面差を外挿法によって求め,平衡圧を求める方法である.浸透てんびんとは,液面差を読むかわりに膜を通して溶媒が侵入する重量を分析用てんびんで測定する方法である.静圧法,動圧法での測定誤差は普通0.2 mm 水柱程度であり,浸透てんびん法の場合は0.01 mm 水柱程度である.低分子物質では浸透圧が非常に高く,溶媒分子が小さいと適当な半透膜が得られないので測定がかなり困難であるのに対し,分子量約1万以上の高分子物質では半透膜が比較的容易に得られ,浸透圧も適当な大きさであるので,比較的容易に測定できる.直接的に高分子物質の数平均分子量を求める一つの手段である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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