日本大百科全書(ニッポニカ) 「涇河」の意味・わかりやすい解説
涇河
けいが / チンホー
中国の黄河(こうが/ホワンホー)流域に属する渭河(いが/ウェイホー)の一支流。寧夏(ねいか/ニンシヤ)回族自治区の南部、六盤(ろくばん)山脈に源をもち、甘粛(かんしゅく/カンスー)、陝西(せんせい/シャンシー)両省内を流れる。主流の長さ451キロメートル。馬蓮(ばれん)河、茹水(じょすい)河などの支流が甘粛省東部の黄土地帯に扇状に広がり、下流に大量の沖積黄土をもたらす。流域の降水量の季節差が大きいため、河川の流量も変動が激しい。下流の涇陽(けいよう)県、高陵(こうりょう)県付近で、涇河から引かれる涇恵渠(けいけいきょ)は、漢代に白渠(はくきょ)として開かれた古い灌漑(かんがい)水路で、渭河平原の灌漑に大きく貢献している。
[秋山元秀]