淀本庄
よどほんしよう
現大東町東部の海潮温泉付近から松江市・八雲村境辺りまでの範囲を占めたと推定される皇室領庄園。地頭は信濃国の中沢氏。当初は淀庄と称され、文永八年(一二七一)以前に淀新庄が独立したとみられる。正和元年(一三一二)七月七日の六波羅下知状案(集古文書)に「出雲国淀本庄号牛尾庄」とみえ、牛尾庄とも称されていた。後述のように庄園領主側が淀庄・淀本庄の呼称を使用したのに対し、当庄地頭中沢氏がもっぱら牛尾庄の呼称を用いたらしい。「出雲国風土記」大原郡条にみえる「海潮郷 本の字は得塩」を継承していると考えられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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