深井地震観測(読み)しんせいじしんかんそく(その他表記)deep-borehole seismic observation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「深井地震観測」の意味・わかりやすい解説

深井地震観測
しんせいじしんかんそく
deep-borehole seismic observation

深い井戸を利用した地震観測。大都市は,交通機関その他さまざまな活動から発生する人工的ノイズが高く,加えて軟弱な地層が厚く,かつ広く覆っているために,地震観測には不向きである。それを克服するには,基盤に達するような深い井戸を掘って,その底で地震を観測することになる。ただし深すぎると地温が上昇するので観測が困難になる。防災科学技術研究所では,東京付近の地殻変動を調査するために,埼玉県岩槻(深さ 3510m),千葉県下総(2300m),東京都府中(2750m),東京都江東(3000m)に深井戸を設置している。このほか 1000mをこえる高感度地震観測井は首都圏を中心に約 25ヵ所が稼働する。

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