防災科学技術研究所(読み)ボウサイカガクギジュツケンキュウショ

デジタル大辞泉 「防災科学技術研究所」の意味・読み・例文・類語

ぼうさいかがくぎじゅつ‐けんきゅうしょ〔バイサイクワガクギジユツケンキウシヨ〕【防災科学技術研究所】

文部科学省所管の国立研究開発法人自然災害に関する調査観測や予測防災減災に関する研究開発などを行う。昭和38年(1963)国立防災科学技術センターとして設立。平成2年(1990)現名称変更。平成13年(2001)独立行政法人移行本所茨城県つくば市所在防災科研NIEDニード(National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「防災科学技術研究所」の意味・わかりやすい解説

防災科学技術研究所
ぼうさいかがくぎじゅつけんきゅうじょ

防災科学技術に関する研究を行う、文部科学省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。英語名はNational Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience、略称NIED(ニード)。防災科研とも略す。「国立研究開発法人防災科学技術研究所法」(平成11年法律第174号)を根拠法とする。本所は茨城県つくば市天王台。ほかに兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)、雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)、新庄雪氷環境実験所(山形県新庄市)がある。

 1963年(昭和38)、科学技術庁の附属機関として国立防災科学技術センターを東京都に設立、1978年までに筑波(つくば)研究学園都市に移転。1990年(平成2)、防災科学技術研究所に名称を変更し、2001年(平成13)4月、「中央省庁改革」の一環として独立行政法人化され、2015年4月、国立研究開発法人に移行した。

 防災科学技術研究所は、防災科学技術に関する基礎研究および基盤的研究開発等の業務を総合的に行い、防災科学技術の水準の向上を図ることを目的としている。そのため、研究体制は(1)基礎研究部門と(2)基盤的研究開発センターに大別される。基礎研究部門には、地震津波防災、火山防災、地震減災実験、水・土砂防災、雪氷防災、社会防災システム、災害過程の各研究部門がある。一方、基盤的研究開発センターは、地震津波火山ネットワーク、総合防災情報、先端的研究施設利活用、レジリエント防災・減災研究推進、気象災害軽減イノベーション、火山研究推進、首都圏レジリエンス研究の各センターをもつ。また、情報の収集と発信、国際的な防災研究協力などにも取り組んでいる。研究施設としては、世界でも最大級の一次元振動台を備えた地震装置・大型耐震実験施設(1970年開設、茨城県つくば市)、大型降雨実験施設(1974年開設、茨城県つくば市)、実物大規模の三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」(2005年完成、兵庫県三木市)、雪氷現象を低温実験室で再現する雪氷防災実験棟(1997年完成、山形県新庄市)などがある。

[編集部 2017年11月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「防災科学技術研究所」の意味・わかりやすい解説

防災科学技術研究所
ぼうさいかがくぎじゅつけんきゅうじょ

地震,火山などによる自然災害の防災技術を研究・開発する独立行政法人。防災技術の基礎研究,開発によって自然災害から人命を守り,災害に強い社会づくりを目指す。防災科学技術研究所法 (平成 11年法律 174号) に基づき 2001年発足。旧国立防災科学技術センター。 1990年に現在名に改称した。約 1800ヵ所に設置された地震計による地震観測のほか,地震やその被害の予測,火山噴火予知の研究,その他の自然災害の予測研究などを行なっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android