深層風化
しんそうふうか
地表下少なくとも数十メートルの深さで行われる風化。とくに温泉地帯などでは、地下の深所で、高温のために岩石の風化が促進され、いわゆる温泉余土(よど)と称される粘土を生成する。これは、その風化を受ける母岩(ぼがん)の種類によっても異なるが、風化生成物としてはカオリナイトやモンモリロナイトの粘土鉱物となる。また、結晶の粗い花崗岩(かこうがん)地域でも、風化が著しく進行し、地表下数十メートルに及んで厚い風化層をつくる。この場合も深層風化の現象とよばれることがある。
[市川正巳]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の深層風化の言及
【風化作用】より
…岩石の鉱物組成や構造によって破砕される状況は異なり,花コウ岩のような粒状結晶構造の場合はとくに分解されやすく,岩体から不連続的に砂粒へと変化する。マサは岩石としての固結を失った風化砂層で厚さは30m以上に達することもあり,このような場合深層風化と呼ばれる。多摩川上流部柳沢峠付近の石英セン緑岩地帯や中国山地の花コウ岩地帯など,一般に花コウ岩質岩石の山地にマサ土の分布はかなり明瞭である。…
※「深層風化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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