深河院(読み)ふかがわいん

日本歴史地名大系 「深河院」の解説

深河院
ふかがわいん

大隅・日向国境にあった摂関家渡領。現末吉町北部に遺称地があり、その付近一帯に比定される。大隅国建久図田帳に島津庄の新立庄七五〇丁のうち「深河院百五十余丁」とみえ、財部たからべ院などとともに保延年間(一一三五―四一)以後新庄で、近衛家領で惣地頭は中原親能(島津忠久とも)、当院などは国務に従わなかったと記される。建治二年(一二七六)島津庄の新立庄深川院一五〇丁に一五丈の石築地役が賦課されている(同年八月日「石築地役配符写」調所氏家譜)。建武三年(一三三六)には大隅国深河院地頭職などが牛屎氏一族に宛行われているが(同年五月一四日「足利尊氏下文」太秦文書)、弘和三年(一三八三)末頃に牛屎河内入道(元息)が「日向国深河」の八〇町などを征西将軍宮に所望している(「牛屎元息所領所望注文」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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