国指定史跡ガイド 「渋谷向山古墳」の解説
しぶたにむかいやまこふん【渋谷向山古墳】
奈良県天理市渋谷町にある古墳。標高586mの龍王山から延びる尾根が盆地の平坦部に届くあたりにある、柳本古墳群と呼ばれる古墳群で最大規模の前方後円墳。江戸時代末には崇神(すじん)天皇陵とされていたが、現在は宮内庁によって景行(けいこう)天皇陵に治定(じじょう)され、陵名は山辺道上陵(やまのべのみちのえのみささぎ)。築造年代は現在、崇神天皇陵とされている行燈山(あんどんやま)古墳より少し遅い4世紀後半と推定されている。墳丘は東西に主軸をとり、長さ約300m、前方部幅約170m、高さ約23m、後円部径約168m、高さ約23m、後円部は正円形で3段築成、頂上は平坦で円形、直径が前方部の幅とほぼ同じである。墳丘両側の谷を堰き止めて造った階段状の周濠は盾形をしている。JR桜井線巻向駅から徒歩約15分。